カジヒデキ/ミニ・スカート

1997年の作品。BRIDGE解散後のカジヒデキ初ソロ作になります。
ギターポップネオアコ渋谷系、そしてスウェーデンのタンバリンスタジオまで通過した最早躁病とも言えるご機嫌ポップ。病的なほどにPOPというものに拘るその姿勢が小沢健二の「LIFE」に被ると思っていたら矢張り意識して作られたものらしい。ミニスカート、マスカットエンジェル、シエスタ、やハート仕掛けのオレンジ、などオリーブ少女(一時期私の敵だった)を胸キュンにさせてしまう言葉遣い、三十路なのに短パンの貴公子という、矢張り小沢健二を連想させてしまうその姿。やり過ぎなほどにポップでキャッチでお洒落。余りにやりすぎて心配になってくる。「みんな僕を好き僕もみんなが好き」とかね。いや、いいんだけど。
作品としてこのアルバムが一番作り込まれている感じがするので好きです。どのアーティストも「一枚しか作れない」という作品があると思うのですが、カジヒデキはこれなんじゃないかと思います。
一時期よく聴いていました。今ふと聴きたくなったので聴いています。胸キュンもののメロディーやハッピーな音に満ちている。97年っていうのもなんだか。ノスタルジーを感じてしまう。声の弱さも不安定さも一生懸命さもカジ君の魅力なんだろうなぁ。