Pinback/Summer in Abaddon

Pinback/Summer in Abaddon
先日出たピンバックの新作アルバム。TOUCH AND GOに移籍しての3枚目。ピンバックはサンディエゴで活動しているユニット。メンバーはRob Crow(ex-Heavy Vegetable)とArmistead Burwell Smith IV(Zach)の二人です。
ポストロック特有のひきつったリズムや乾いたリズム音。そしてスロウコア系のバンドが持つ適度な緊張感。そこに加わる優しいピアノやアコースティックな音色が本当に美しい。思わず胸を締め付けられる泣きのメロディー、情緒抑えているんだけどもエモーショナルなボーカル。柔らかでミニマルなギターフレーズ。静かな絵画を描いているようなインディーロック。ふわふわと漂う感じがたまりません。エリオットスミスの雰囲気が好きな人なら聞けると思いますが、こちらは根底がハードコアなのでコア寄りのメロディーでロックロックしています。
ロックやコア=うるさいサウンド、という固定観念を押しつぶしてくれる作品です。どこまでも静かで平熱。そして美しい。やろうと思ってやれる音ではないと思う。彼らが元はハードコアやパンクやっていて行き着いた、というのが自然に理解できてしまうような音だ。タイトで無駄なものがない。だけども隙間がある。聞き流そうとしてもふと気にして聞いてしまう。どの曲がっていうような作品ではないですが、泣き全開のメロに柔らかいピアノが波のように鳴っている「3HO」が素晴らしい。
1月に来日します。