Lateduster/Easy Pieces
音響系。もうポストロックとエレクトロニカの狭間にあると言う感じなので音響系とよばさせていただく。ミネアポリスの4人組。メンバーにAndrew Broader(akaFog、Hymies Basement)とMartin Dosh(akaDosh)を含みます。2002年に出たもののリイシュー。売れてます。
ポストロック/エレクトロニカとは何が違うのだろうか。勿論ポストロックはステレオラブなどのみならず、エモやコアをも含むからロック寄りなわけだし、エレクトロニカはその反復性や音の面白さなどからしてテクノ寄りなわけです。IDMとあんまり区別がつかないし。アンビエント/アブストラクト度の強いテクノってことだうか。ポストロックとエレクトロニカをビートのある/なしで区切るのは例外が多々あるから微妙だと思いますが、けれどもリズムの取り方やビートの割合やクセなどがそれぞれあるな、とは思う。
そんなわけでLatedusterなのですが。難しい。やや変則的な生リズムと打ち込みビーツが混在している。美しいシンセと共にあるメロディーとメランコリックな音色のギターが共にある。判別が難しいけどエレクトロニカ寄りなポストロックバンドって感じかな。基本は生音で生ドラムな感じが強い。楽器自体はシンプルで、音もシンプル。インストモノです。静かだけれどもアンビエント過ぎず、メロディーがとても美しく、浮遊感があって、アンニュイでジャジーな音、メランコリックなピアノとギターの音、オーガニックな人工サウンドなどを含みます。気持ちが良い音もたくさん使われていている一方で適度な緊張感がある。優しい音と小さなノイズ。絶妙なバランス。上手く作られているなぁという印象でした。聴いていると40分がぼーっと過ぎる。聞き流しているつもりでもいつの間にか音に耳を傾けてしまう。
音響系はそういう感じが面白い。思想や作る過程、形式も大事なのかもしれないけど、基本は「もっと面白い音を、自分の好きな音を」って感じだと思う。反復していてもメロディーなくてもタイトでも美メロでも笑っちゃう音でもダビーでも寒くても生音でもシンセでもいいよ。そこに面白さや好奇心が詰まってればいい。そういう姿勢があればいいと思う。思想や形式なんかに捉われすぎるから「停滞してる」「お高くとまってる」とか言われちゃうんだ。
目を閉じて聴いたときに何か感じることがあるかどうか。そこが私の中での「面白い/面白くない」の線引きです。