銀杏BOYZ/君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命

銀杏だ。銀杏BOYZのことを書こう。

銀杏BOYZのアルバムを買ってきた。最初聞いて「しんどいかな」と思った部分もあったがこうして聞いているうちにはまってきた…。Pixiesの「DEBASER」イントロそのまんまのギターリフがあったり歌詞にピクシーズ始めWEEZERスターリンじゃがたら、ピーズ、BUZZCOCKS出てきたり、なんか面白かった。ジャンルが「オルタナ」になっているし。
けど一番ビックリしたのは。
久々にYUKIの声聞いた…。ジュディマリの。びっくらこいた。アルバムに参加してたのかぁ。
もしも馬鹿が本気で馬鹿をやったならそれは馬鹿ではないと思う。大人が本気で妄想中学生をやっている。中学生の気持ちを思い出して、とかじゃない。全力で中学生をやっている。馬鹿です。阿呆です。そういうアルバムです。
けども全力でやっているから馬鹿ではないのです。
もうここまで来ると共感とか「オ レ タ チ の!!代弁者なんだZE!!」みたいに高校生が鼻息荒くして言うようなレベルじゃないと思います。

学校で君のジャージが盗まれた事件があったろ
誰にも言えないけど本当は犯人は僕さ
銀杏BOYZ/SKOOL KILL」
って。変態ですよ。「ストーカーじゃないよ」って。それはストーカーじゃなくても世間では変態と言うのです。爆発寸前のテンション。愛と性と悪夢と生と死と現実と妄想と汗と涙にまみれた少年は4畳半の部屋の中でマスターベーションの途中で発狂して死ぬんじゃないんだろうか、みたいな雰囲気ありありのやばやばなテンション。絶対さ、第一発見者は母親なんだよ。そんな状況で情けないカッコで馬鹿息子が死んでてさ、遺体の傍らには学校で水泳の時間に盗んできた好きな娘の下着が!!みたいな驚愕の、笑えないのに笑ってしまうようなオチが待っているような感じ。愛と笑いの日々。泣き笑いの日々。そこには自己投影や代弁なんてものはないのだ。
こっちもこの妄想中学生を応援するか愛するか憎むか笑うか泣くか走るか万引きしに行くか喧嘩するか恋をするか手を繋ぐかさよならするのかなのだ。全力で。触れられるかどうかなのだ。それだけだ。
聞いてるうちにふと学生時代を思い出してしまう。
なんであの頃見た夕焼けって今でもこんな鮮やかに思い出せてしまうんだろう。「文科系もいいけどやっぱ体育系」みたいな気軽な気持ちで部活入って走りまくっていた。6時前に練習が終わるけども夏前のその時間帯が好きだった。めちゃめちゃ空がきれいだったからテンション上がる。異様に胸が高鳴る。そういうどうでもいいことばっかり覚えていてそういうことばかり蘇ってくる。自分も馬鹿だ。ど阿呆だ。けどもそれが嬉しいのだ。そう思わせてくれる作品な気がします。
あの夕焼けが沈む前に自転車で競走さ
この坂道を登りきれなかったら百円な
今まで出会えた全ての人々にもう一度いつか会えたらどんなに素敵なことだろう
銀杏BOYZ/漂流教室
戻りたいとも思わないけど。あの頃間違っていた事とか思い悩んでいた事とか、思い出すとちょっと笑ってしまう。「変わってないなー」と。今言ってあげたい。「10年後も同じような事で悩んでいるだろう!」と。そう言ったらあの頃の自分はきっと愕然とするだろう。
けどあの頃はうざいくらいに1日5回くらい「hydeがきれいすぎてやばい」とか言ってた。担任ですら私がラルヲタなことを知っていた。ブレイク前なのに。…今blogでやってることと全く変わってない。成長してなくてうんざりする。進歩がなくて涙出そうだ。
30枚もCD持ってなかったくせに毎日毎日馬鹿みたいにカセットを聴いていた。馬鹿みたいに。それも今と変わってない。自分を褒めてやろう。パソコンが無い代わりにノートに文章を書き続けていた。矢張りあの頃から文を書く事は好きだったんだ。
惚れっぽくて飽きやすいのも今と同じ。繊細なのも今と同じ。どこか壊れているのも今と同じ。寂しいのも同じ。嬉しいのも同じ。馬鹿なのも今と同じ。そういうことに気が付いて笑う。
うん、いいアルバムだ。
ふたりの夢は空に消えてゆく
ふたりの夢は東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ
銀杏BOYZ/東京」
蒼い。良くも悪くも青すぎる。