つじあやの/COVER GIRL

つじあやのの歌が好きです。
いきなりなんだよと言う感じなのですが、私は好きなものは思い切り「好きなんです」と言いたくなってしまうので、言ってしまう。つじあやのの歌がとても好きです。
人によっては映画「猫の恩返し」を思い出すかもしれません。あの、彼女です。
去年の5月に出たカヴァーアルバム。2枚組編成で、1枚目が普通にカヴァーを収録したもので、2枚目がウクレレ一本で行ったフィールドレコーディングによるカヴァーを収録したもの。2枚が対のようになっているアルバムです。2枚聴いても50分くらい。
もうこの作品が本当に素晴らしいのですよ。
カヴァーっていうのは、原曲を生かしたり原曲の根本は変えないで上手いRemixを施したり、逆にカヴァーする方のアーティストの個性全開になったり原曲が残っていなかったり(笑)って、色々なパターンがあると思います。
この作品は彼女の「歌声」をとても活かした作品だと思います。どの曲も彼女の、のびやかで透明でそれでいて暖かい声ととてもマッチしていると思う。聴いていてすごくほっこりしてくる。原曲もよさをきちんと残しつつ、彼女の本当に素敵な個性である歌声も活かされていて、それが素晴らしさ二乗になっているのだ。いや、二乗じゃない。四乗かもしれない。
アレンジも素晴らしいんです。kyoto sideに流れる空気の優しさ、ほっこりした温度、ウクレレの柔らかな音色。シンプルな音と外の空気が彼女の表現力をとても輝かせてくれている気がします。そんな中で歌われる「お世話になりました(井上順)」「プカプカ(西岡恭蔵)」なんて最高ですよ。素朴で切なくてくすぐったいような感覚なのだ。
逆にtokyo sideの方はピアノとストリングスが入る「黄金の月(スガシカオ)」から始まるんですけど、音に負けず力強く響く彼女の声。うーん、なんかさっきから同じこと言ってる気がしますが、本当にこれはボーカルが素晴らしいんですよ。話を戻そう。ストリングスが入るのですが、べたべたにはならないで抑え目なところもいいんです。この控えめなアレンジがとても良いです。このくらいの方がメロディーや、曲の雰囲気の全てを引き立たせてくれる。しかも2曲目が「パレード(山下達郎)」ですよ。正に散歩に出かけたくなるようなアレンジが本当に好き。気取らずにのびやかな歌声も本当に好き。楽しそうだ。聴いているこっちも少しだけ浮かれる。どの曲も曲にあったアレンジをしてくれるので聴いていて安心できるし、聴いていても楽しいし、集中できる。
ま、そんなこと言いつつも。のんびりと何も考えないで聴くのにいい音だなぁと思います。ぼんやりと陽光に包まれて聴いたら幸せになれるような作品です。
キャンディーズの「年下の男の子」も素敵だし、ピアノの弾き語りであるブルーハーツの「ラブレター」は泣けます。つじあやのの歌う「僕」は独特の味がありますね。男の子にしか歌えない「私」がいるように、女の子にしか歌えない「僕」があるんだと思う。
とにかく私はつじあやのの歌が好きだ。
素直になれるような気がするのだ。
だから好きです。本当に好きです。


まぁ、あれだ。
今すぐ買いに行きなさいということです(笑)

COVER GIRL

COVER GIRL