6.18.2005-(Sut)---nil at LIQUIDROOM EBISU

以下は感想。


新生nilです。1月のリキッドルーム以来ということになりますか。
こんなにライブを見る前に色々と考えてしまうライブなんて久しぶりだよなってくらいに不安だったり期待だったり、色んな気持ちが混ざっててドキドキしました。
ぶっちゃけ、ずっと私は「順番間違ったかなぁ」と思っていた。先に新nilを見るべきだったのかなと。だって私は先にあの二人のそれぞれの活動を見てしまっていた。それが気持ちを重くさせてたってのが心のどこまであったのさ。だって、あの二人は今も凄く楽しそうだからさ。そんな様子を見て私もとても嬉しかったから。それを見てしまっていたから、今日このライブを楽しめなかったり「あぁ駄目だ」って思ってしまったりしたらどうすればいいんだ私は、って思っちゃったりもしました。先にこっちを見て「あぁこれが新しいnilなんだ!」って心の割り切りをしてしまう方が、気持ち的には楽だったのかなとか思ってライブ前はなかなか複雑だったんだけど。
まぁいいや。その辺りは大分私も適当です。
きっと思ったことや感じたことが全てなんだと。深く考えるのはやめよ、と。


相変わらずのSE。しゃがれた声の「Lucky Day Overtrue」。それだけで心が掴まれてしまう。駄目だ今日は疲れすぎてるから後ろの方でまったり見よう、とか思っていたのに、それを聴いただけで疲れとか眠さってのはどうでもよくなってしまう。この時点でもう気持ちを据えてしまう。「よしそのかっこよさを見届けようじゃないか」と思ってしまう。いつもとは少し違った気分でステージを眺めてしまう。このSE聴くとそんな感じになっちゃう感じですね。何度聴いたのかよく分からないけど、もう本能に刷り込まれているみたいに、「あぁ、nilだ!!」って思ってしまう。ごめんねトム。ホントにあなたはいい声してるよ。


ステージに立つ3人。うむ、哲君は確かに髪切って男前になりましたね。とか言いつつ目が悪いんでそこまではっきりは見えてないですけど(笑)


最初が「The Last Nova」で「エクスカリバー」と、アルバム『エクスカリバー』の曲が続く。アルバム聴いたときからずっと思っているんですが、『エクスカリバー』はギターの音が良すぎですよね、本当に。この音は良すぎてたまらないなぁと思っていたら、ライブでもとても良かった。なんか『エクスカリバー』って、ライブで聴くのが初めてな曲が多いので、あんまり特出して「なんか違う!」とかは感じない。というか曲のかっこよさに参ってしまう。新nilがどうしたこうした、とか思うよりも曲のダイナミックさやギターの音や哲君の声に惹き込まれてしまう。バンドとは変わっていくものであって、人が変わればそれは音が違ってくるのは当たり前の話で。だけど今聴いている曲や音は、どっからどう聴いてもnilそのものなんだ。それはどうしてなのかは分からない。じゃぁ<nilそのもの>っていうのはどこに宿っているんだろうな、とか思ってしまう。
目の前では哲君がギターを弾いている。「ギターの音すげぇ、すげぇかっこいい」とか、10年ほど前の、音楽を聴き始めた頃の自分と全然変わらないことを思ってしまう。やっぱかっこいいよね。哲君はかっこいい。そう思う。
そして「DROP」。12月や1月も聴いたんですけど。やっぱり新しいnilの音になっているんだなぁと感じた。別にむちゃくちゃ変わっているわけではないんですけど。なんだろうね、違うよね?(笑)。何がどうって言われると困るんですが、雰囲気とか空気は明らかに変わったと思うよ。そんでもってその新nilは(ツアーでやって来たってことも大きいんだろうけど)『エクスカリバー』系の音の曲を本当にかっこよく演奏してしまうんだなと感じだ。ぶっちゃけ「毒針とステロイド」は今日ライブで聴いたヴァージョンが一番かっこいいと思う(笑)。


エクスカリバー』は哲君が哲君がと前に言ってしまっていたんだけど。ライブを見ていて「哲君凄いわ」って思う瞬間がたくさんあった。あの人は凄いと思う。なんかさ、いつからあんなストレートな歌い方が出来る人になったんだっけ、って思った。いつからあんな風な佇まいになったんだっけ。いつからあんなに素直に色々出してしまう人になったんだっけ。いかに自分がライブ中哲君を見てなかったかってことだよねぇ(笑)
そして思う。「もう駄目だー」と思ってしまったらどうしようと上で書いたけど、哲君が歌っているのを見て、それを思うことはないな、と思った。哲君が歌っているnilというバンドを嫌いになるわけがないじゃないか。それが駄目なわけないじゃないか。だって、<nilそのもの>って、きっとそういうことなんじゃないだろうか。


なんかさ、見る前にもう一つ不安なことがあって。『エクスカリバー』はいいとして、昔の曲は聴くのしんどいのかなぁとライブ前思っていた。「FM」とかキツイのかなって自分では思ってたんだけどさ。実際はそうじゃないんだね。もう本能だねあれは。あのイントロ聴くと「おおお」ってなっちゃうもんなんですね。それってあれなんですかね。フジロックジョン・スクワイアがローゼズ時代の「タイトロープ」という曲をライブでやったら「おおおお」と皆がどよめいていきなし人がダッシュで走ってきたり。今のクィーンにフレディーはいないけど、「ボヘミアン・ラプソディー」やったら「うぉーきた!すっげーー!!」とかなってしまうのに近い感じなのかな。やっぱりその曲がどうしょうもなく好きで楽しくなってしまうという。そんな感じでした。確かに音は大分違うんで最初は違和感あるんだけど。
やっぱ楽しいよ。「FM」「イエロー」「ランランラン」「PLACEBO」「BABY BABY」「DOWN」「HATE BEAT」辺り。あの無茶苦茶さとか暴走っぷりはないけどね。


けど、やっぱり全体的に『エクスカリバー』だね。本当にあれの曲はとても良かった。最後に新曲もやったけど、その路線の曲だったもんね。昔のとは明確に路線が違うし、もうそういう音の流れになっていくのかな、と思った。あの曲はなんか色々なものが混ざってないですか?(笑)ギターの音然り。イントロ然り。それがすごい面白くて良かった。
「today〜」前の哲君のMCにぐっときた。哲君のMCで泣きそうになったぜってのはもしかしたらはじめてかもしれないなという自分にビックリした(笑)
色々あったのはもうしょうがないし新nilがあぁだこうだとか言うのはもうどうでもいいんだろうなと思った。そりゃー違いとかはあるよ。それはもう途中で何度も何度も繰り返し感じたけど。それがどうしたんだって感じだよね。人が変わっている、しかもリズム隊が入れ替わっているんだから変わらざるをえないもん。そりゃ空気なんて丸変わりですよ。前の「危なっかしい/途中暴走しまくり/けど呼吸の揃い方は凄い/曲のポインツを押さえ込むタイミングの上手さ/ひたすらに3人ともやんちゃ」って感じはなくなってますもんね。勝さんも宗太さんも上手いしスマートで大人な感じがするので、子供っぽい部分はなくなってるけど。早い曲とかすげーかっこいいよね。『エクスカリバー』が前のnilっぽくない音だと思うので、すんなり入ってこれるし、ひとまずは形としてしっかり作ってくれてるなぁというのをとても感じた。けど、これからライブいっぱいやってタイミングとかバッチリになってきたら凄くいい風に変わっていくんだろうなと思った。だから新nilがどうだとか言うのはもうどうでもいいのかなと。なんかそんなことを思った。かっこよかったしね。


予想よりも全然楽しかったしかっこよかったもの。


哲君が楽しそうだったんで良かったと思う。
私の「深夜の哲君は絶対やばいくらいに暗いよ」論がまたブームになりつつある(笑)途中「絶対そうだよ!!」と思ったくらいに。なんか哲ファンが多いのってわかる気がするなぁって思うくらいに哲君が凄く良かった。あの楽しそうな部分と陰のある部分があるってのが乙女ポインツなのかなぁと(笑)。うん、かっこよかったです。


ありがとう。3人ともお疲れ様。


昨日のマイベスト
We Cry・・・哲君の歌に圧倒された
毒針とステロイド・・・演奏かっこよすぎ
Night People・・・とにかく楽しかった