"Jeff Buckley / Grace"(1994)

Grace

Grace

1997年に交通事故で急逝したJeff Buckleyが94年に発表した唯一のオリジナルアルバム。「90年代の名盤を挙げるとするならば絶対に入るんじゃないの?」っていう位に素晴らしい作品です。父親は28歳で夭逝したTim Buckley。
ひたすら「歌」そして「声」の素晴らしさに尽きる。ため息もつけない程に感動的な、そして感情的なジェフの歌がそこにある。悲しみも苦しみも喜びも、どうしてこんなに生々しくそして美しく表現出来るんだろうか。穏やかに、時に憂いて静かに奏でられる音とジェフの歌声が胸を締め付ける。
決して明るい作風ではないが、じわじわと深みにはまっていくような感動があると思います。Nick Drakeヴァン・モリソン、OwenやElliott Smithなどもそんな感じな気がする。
いつかこの「ハレルヤ」を聞いて、Leonard Cohenを聴いてみたいと思ったことがあった。彼がレナード・コーエンニーナ・シモンヴァン・モリソンなどを愛して聴いていたように、多くの人にとってもこの作品がかけがえのないものなのだと思う。かけがえのない想いがこのアルバムにはあって、きっとこれからもそれが語られて続けていくのだと思う。いや、そうあって欲しいのだ。