Tamas Wells / A Plea En Vendredi


A Plea En Vendredi

A Plea En Vendredi



ミャンマー在住のオーストラリアンSSW、Tamas Wellsの2ndアルバム。


SSWというものは不思議な存在だ。少ない音・少ない楽器と声だけで何故にあんなに各々異なる歌を作り出すことが出来るんだろうか。
力強い歌やか弱い歌。希望に満ちた歌や絶望の歌。そのどちらでもなくただ情景を描いた歌や恋の歌。


Tamas Wellsの音楽は牧歌的な美しさと穏やかさに満ちている。陽の光や風の匂いを感じるようなサウンド。まるでベルアンドセバスチャンの音みたいだ。
ただ、そこに宿る空気や彼の歌声はどこか悲しさと寂しさを滲ませている。BigStarのThirteenを歌うエリオットスミスのように。

美しさや高貴さ・純粋さと背中合わせにある悲しみ。
聴いていて息が詰まりそうになる。
Judee Sillのように、密やかに聴いていたい名盤だと思う。