孔子 / 吾十有五而志于学。三十而立。

その昔古明地洋哉が「マイナスとマイナスをかけ合わせてプラスに変えること。」と歌詞カードに記していたのだけど、最近よくその言葉が思い浮かぶ。前までは何故に人がそんなに怒っているのかを深く理解できなくて。クラッシュとか。マークスチュワートとか。DCHCとか。あと、何で現代の小説って暴力性高いんだろうとか。そう言うのを寝る前にふつふつと考えてもよく分かんなかった。
けどやっぱ最近思ったのは、人間この世界に生れ落ちたことが既にマイナスなんじゃないのかなぁと。ある一部の人には、なんだけどさ。そこから五分五分に持っていくためには強度が必要なのかなぁと思いました。マイナスの強度。やっぱり普通に生きているだけで怒りでイライラしたりするから。ちょっと考えると暗い部分に落ちるし。そういうのを振り払うためには早さだとか暴力性だとか怒りや狂気や爆音や変拍子やノイズは必要だ。欲望とそれに対するストイックさ。ああ、あとはちょっとだけそんな苦しさを楽しめるようなユーモアやポップさも必要なのかな。
マイナスとマイナスが掛け合わさる瞬間、考える前に引きつけられちゃう様な何か強いものが生まれるのかもしれない。そしてそーいうのは大概かっこいいんだ。


別にマイナスでなくてもいいんだけれど、聴いててどっかで何かに凄い足掻いている様な音が好きだなと最近思うようになりました。
中村一義の1stとか、凄い勢いで下に黒い穴があって。そこに落ちないように一本のロープの上を走っていくような、そんな緊張感が凄いなと思う。音はビートルズとかキンクスみたいなんだけど。そう、ロープの上を転がればいいんだよね。それしかないんだから。中村君はプラスの大きなマントでマイナスをねじ伏せるような事をしているから凄く好きだ。穴に落ちていた人だからこその切迫感のあるポジティブさ。100sがんばれ。