pia fraus/In Solarium

はい。USインディー続きで。こちらはかのシューゲイザー名門レーベル、アメリカのclairecordsからの発売です。CLAIRECORDSの022番。かつてはシューと言えばイギリスのクリエイションでしたがクリエイション亡き今、俯いて足元のスニーカーを見つめ続けるBOYS&GIRLSを優しく包み込むようなレーベルはここですよね。ドイツのMORRがより音響的なのに対してこちらは矢張りロック寄り、インディー寄りなのが素敵です。
97年にエストニアの美術学校の生徒たちによって結成されたバンドです。こちらの発売は2002年。日本で出たのは2004年。レーベルカラーを外さずにシューゲイザー精神根ざしているんですが、とてもロック寄りと言うか。はい。今調べていて分かったんですが、WEDDING PRESENTに影響を受けているらしい。凄いっす。だって1曲目のギターのカッテイングは完全にウエディングプレゼンツですもん。あの高速カッティングそのままではないけど。もっとゆっくりだし。けど感じが似ているんです。思い切り鳴らしてる感が。清涼感があって、シューゲイザー特有の何かを諦めてしまったようなやる気ナシの、けど甘ったるいボーカルが最高です。このM1だけで「いいなぁー」と思わせてくれます。全体的に音はマイブラ風ありステレオラブ風ありソニックユース風ありベルセバ風ありと言った感じで、どっちかと言うとポップでワームな雰囲気だと思います。M2やM3はもろにマイブラ。疾走感があってとてもキャッチーなM4でもフィードバックは忘れない。気持ちの良いギターの音に女の子ボーカルがあったりチープなオルガンの音もアクセントになっているM7とか本当に素敵。打ち込み混ぜていたりするM9の壮大さもいいです。ウルリッヒシュナウスやチル系エレクトロニカ好きにはたまらないんじゃないかなぁ。ジャケもいいですよね。まだ「あの頃」が忘れられない貴方に。好盤です。