Warsaw/An Ideal For Killing

JOY DIVISION(IAN CURTIS)って言うと有名なのは映画「24 hours happy people」(だっけ?>タイトル)「24 hours party people」だと思うんですけども。あれですよ、1976年にさ、マンチェスターのライブハウスでセックスピストルズがライブをやったんだけども、そこにいた客はたったの40人で、でもその40人はライブにえーらい感動して「俺たちもなんかやるぜー!!」みたいな感じになって、Factoryっていうレーベルを作って、って話のやつ。これはイアンがデヴィジョンの前にやっていたバンド。こっから数えるとSTEPHEN MORRISは4代目のドラマーになるそうだ。PETER HOOK(ベース)とBERNARD SUMMNER(ギター)は元からのオリジナルメンバー。私はピーターのベースが好きなんだよね。「好きなベーシストを挙げろ」って言われたら絶対入る。独特のダークで動きがあるラインを弾くなぁと思うので。
77年がワルシャワの1stギグで、78年にはJOY DIVISIONに改名しているので、まあ77年ごろの音源です。LPのみ。CDだと銀色の子供が書いてあるジャケの音源集が出てるよ。英語のインナー付きで、それによるとA面のM1-5が77年7月18日に録音されたデモセッション、M6が77年10月2日に録音されたライブモノ?なのかな。よくわかんない。コンピに収録されている曲だったらしい。B面のM1-4が77年の12月にスタジオで録音されたもの。A面M7とB面M5-6が78年5月3日と4日にスタジオ録音されたもの。B7が79年4月。この頃は「Unknown Pleasures Session」から、とあるのでほぼJOY DIVISION段階なんだろう。
ジョイ・ディヴィジョンって言うとみんな陰鬱でダークでサイケっていうあの音を思い浮かべると思うんですけど、WARSAWはそんなわけでもない。ボーカルにめちゃめちゃ力あるし演奏もパワフル。少し神経質っぽいというか尖った音なんですけども、根はパンク。ピストルズのライブ見て「おっ」ってなったバンドなんだなというのを感じさせます。なんつーか、暴力性とか衝動とか破壊性を感じさせる音。ギターのラインとかベースの走り方とかはJOY DIVIISIONって感じも少しは凄くするんだけど。とにかく衝動性に満ちているなぁ。ジャケの写真どおりに。Amazonに書いてあった、当時のマネージャーの言葉、

「当時のイアンは客席に飛び降り、客のグラスを割って、その破片を客に突きつけて脅かしていた。本当に狂気そのものだった。」

ってのは音を聴くととても分かりやすい。まだ混迷しつつも「ぶっ殺すぜ」的勢いがある。タイトルもそのまんまだし。誰が今後あんな無機質で内向的で悲しい雰囲気に満ちたサウンドに変化すると予測しただろう。そしてイアンが首を吊って死んでしまうだなんて。
79年なのでNEW WAVE/POST PUNK真っ只中って感じですが。図太いパンク。引っかくようなギター。キャッチーさとミニマルさが不思議なバランス。こういう音をやっても底抜けに明るくはならない。ポップさとシリアスさの絶妙な配置。それが顕著なB面は本当にお勧め。「音」そのものの意味に走る彼らがまず「音を出す事」に意味を見出したような作品。めちゃめちゃかっこいい。COOL。JOY DIVISIONに深い想いがある人に是非聴いて欲しい。彼らがこんな音をやっていたのかと驚くかもしれないから。

そして普通にかっこいいんで気になった人はチェックしてみてください。結構普通に受け入れやすい音ではないかと思います。