夜のロックンロール

THE END【初回盤】

THE END【初回盤】


夜の音楽だ。そして、終わりへ向かう音楽だ。
終幕。エンドロール。フランク・シナトラ。客電がつく寸前の呆けた空気。サーカスが終わって夢から醒める瞬間。「終わり」を迎えた時の、空想と現実の境目を彷徨っているような音だなぁと思った。そしてマッチの火がふっと消え落ちる瞬間のような見事な終わり方だ。
あまりに完成されているからそこに口を挟む余地はないんだろうな。
ただ、最後の曲の変調以降、胸の奥が掻き立てられた。

素晴らしい人生。
さらば僕の青春の光。

そこに後悔はない叫びだったから、聞いてる私は何も言えぬまま、呆然と終わりを迎えてしまうのだな。
いいとか悪い、好きだとか嫌いでは表現したくない作品だなぁと思う。



最近高野さん(nil)のライブを見られてないんだけど、なんだか無性に哲くんを思い出した。