少年逃亡兵は年内で終わります

はい、タイトル通りなのですが。
私が「少年逃亡兵」というタイトルのサイトを作ったのは確か98年か99年のことで。もうその時のhtmlファイルは消失しました。多分壊れてしまったVAIOの中にあると思うんですけどね。その時はすごーく地味な、如何にもhtml習いたての大学生が作ったような、私と同年代の皆さんが見たら「懐かしいなぁ」という作りのサイトで、その頃は七尾旅人君のファンサイトだったんですよね、一応。
その頃はSNOOZERが好きだったのもあって、ちょろちょろ音楽に関するレビューだとか日記だとか書くようになって、でもちょっとメンタル病んでたので痛々しさの残る、如何にもモラトリアム真っ盛りの大学生が書くような文章を書いていたなと思います。
青くて、弱くて、自信がなくて、大人になりたくなくて、でもそれ故に透明な何かがあったのだろうな。やっぱり周囲に集まってくるのはそう云うちょっと繊細気味の人が多くて、こう、中村一義君だとか七尾旅人君に生かされてます!みたいな事を素で言いそうな人が多かった。自分然りなんですけどねこれは。
気付けばもう来年は2012年ですよ。っていうかSNOOZER今年廃刊になりましたし。そろそろ止め時だなぁと思っていて。ずっと前から、時間的な意味で、金銭的な意味で、そこまで熱心に新譜を追えなくなった頃からそう思うようになりました。
インターネットとは本当に便利なもので。世界中に向けて簡単に自分が発信出来るツールであります。そりゃー私はおたくだったので小学生の頃からちまちまとノートの片隅に小説もどきだとか書いていてうっかりそれを消さずに提出しちゃって「内容は問題ないですが、授業に集中してないようで心配です」とかコメントされちゃうような子供だったのですが、本当の意味で「誰かに向けた」文章を書くという行為は私はWEBで培ったのだと思います。私がずっと文章を書き続けていたのはこのサイトが共にあったからなのだなと本当に思う。
もうすっかり私も大人になってしまいました。少年逃亡兵は大人になりたくなくて逃亡している私を投影したサイトであったので、もう続ける意義が薄くなってしまったのだと思います。未だに厨二病患っているのですが、あの頃の本当に痛々しい何かは今の私にはない。それを書くことも表現することも出来るとは思うのですが、なんかやっぱり違う。生々しくない。
このサイトを続けている最中で一番面白かったのはニュースサイトやってた頃だな。ブログですらない、ニュースクリップして、日記でCDのレビュー書いて、その頃ニート(そしてレコ屋バイト)だったんで音楽ニュース追っかけているのが楽しくてしょうがなかったなー。本当に音楽が好きだなぁと思えたのはあの頃だったし、次から次へと新しい音楽に出会うのは掛け値なしに楽しいことだった。Joseph Nothingのレビュー書いたら本人からメール頂いたり、ミュージックマシーンにリンク貼ってもらったり、デイリーポータルZの歌に名前載せてもらったり、2ちゃんねるのLOVE PARADE実況サイト作ったり、たくさんの人に見てもらえて反応貰えて楽しかったです。
あの頃の私のスタンスは「好きなものを好きだと言おう」で、それって今も変わっていないんだなと思う。だからジャンルレスで知りたいニュースを追っていましたし、別に音楽に拘らずに本当に自分が好きなジャンルを追いたいが故にやっているニュースサイトだった。エゴイストですね。はい、エゴイストなサイトでした。レビューもそうで、私は昔から自意識過剰気味で自分大好き人間なのでとにかく自分が、自分がいいと思ったものを主張したいがためだけのものだった気がする。だって、皆が自分の好きなものを好きになってくれたら楽しいじゃないですか。友達に「これ超いいよ、かっこいいよ」ってCDを貸すような、ただそれだけの動機だった。実は私はこっそり同人小説なんぞを書いていたりもするのですが、やっぱりそっちでもそのスタンスは変わりません。好きだから、という動機はシンプルで強い。好きなものを好きにやるのが私に向いているのだろうな。
途中からnilや樫本さんに愛を叫ぶだけのブログになってましたが、そういう私的な傲慢さも含めての少年逃亡兵だったのでいいのです。やー遂にZIGZOも復活ですしね、高野さん元気にしてるのかしら。高野さんや樫本さんが私を少年逃亡兵で認識してくれたのは地味に嬉しいことでした。あんなにきもいことばっかり書いてたのに!!ありがとうありがとう!!
病んでいる頃はあまりに素直に色々なことを吐き出していたので、痛々しさを通り越してドン引きされている部分も多かったと思うのですが、本当にすいませんでした。今私が10年前の自分に言ってやれることは「あの頃に君が悩んでいたことは決して無駄にはなっていないんだよ」ということで、あの頃の自分がいるから私は大人になってもこんなに繊細かつナイーブなんだと思います(笑)
皆さんえーって思うかもしれないですが、私はほんとに未だにものっすごい繊細ですからね、それを表に出さないという術をようやく覚えましたけども。あの頃に悩んでいた問題は結局答えが出なくて、でも別に答えなんて出なくたって生きて行けるじゃないかという、良い意味での大雑把さを手に入れたのが一番の収穫だった気がします。いやほんと超繊細なんですよ私は……。

別に音楽に救われたよとか盛大に述べるつもりはないですが、音楽が好きです。そしてそれと同じくらいに文章を書いてることが好きだなと。このサイト終わる時に何を話そうかと考えていたらそんな事しか浮かびませんでした。何かを好きである、私が人生躓きまくりながらも心の奥に握りしめていたのはそれだったんだろうなぁ。そしてこの先もそうなんだろうなぁ。私みたいな暗い人間はそうやって釣り合いをとっていないとすぐダークサイドに落っこちゃいますからね。好きであるということは私の源であります。

それでは!私はようやく長いモラトリアムを卒業できる気がします。今後はもうちょいしっかり文章書いていこう、そうしよう。このサイトで出会えたたくさんの人に感謝です!!ありがとうございます。愛!

the chime will ring to bring
the rhyme that is a sting to sing
I'll gradly realize it's the end of our youth
those golden word well-tired
I wonder why my tongue is tied
I don't care if you call it prayer of fate
やがて鐘が鳴り
痛みのある韻詩を運んでくる
僕はよろこんで 僕らのユースの終わりを知るだろう
何度も口に出そうとした黄金の言葉
どうして僕の舌はもつれるのかと思う
それを祈りと呼んでも運命と呼んでも構わない
『THE CHIME WILL RING - The Flipper's Guitar』